恋の魔法。
自覚









―――――…










…あたしは今
緊張している。


主に2つの理由で。













理由の一つ目とは、
それはもう
あたしがもうすぐ
発しようとしている
その言葉は、

あたしにとっては授業中の
先生トイレ行っていいですか、
くらい勇気のいる
言葉なわけで。











…いや!
逃げてちゃだめだ!











あたしは意を決して
教室の扉を開く。









「お!!
おはよう…ござい、ます…」













今までしかめっ面しか
してなかった
クラスメイトからの
突然の挨拶。





もちろん教室内は
静まり返り、
あたしのなけなしの勇気で
ふりしぼったみんなへの
朝の挨拶は空に吸い込まれた。















…やっぱだめか。



そりゃ、あんだけ
愛想のなかった人間が
挨拶返してもらおうなんて
あつかましいよね…。















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