お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

「う、うん」


そう言われると何も言えないじゃん。


メイドのくせに役に立たないなぁ、あたし。


桐生の旅立ちまであと1日。


あたし達はみんなで桐生の引っ越しを手伝っているところだ。


部屋中に積まさった段ボール。


これを全部持ってくのか。


荷物多すぎだし…


苦笑いしながら段ボールの山を見つめる。


あの日を境にあたし達は主人とメイドという関係に戻った。


好きな気持ちを断ち切らなきゃならない。


それだけで精一杯であたしは桐生とほとんど言葉を交わすことはなかった。


もう手の届かない人になってしまうというのに


残された時間も笑いあうことができない。


あたしはまだまだ子供だ。

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