イケメン殿様と平凡少女






「まずお前、名前は?」

「萌絵」

「モエ?変わった名前だな。
何か燃えてるのか?」

「そのモエじゃないって」

「まあいい。
どこから来た?」

「……未来。」

「ミライ?
そんな国あったか??」

「そのミライっての、
どこにあんだよ?」

「…少なくとも、
そんな簡単に
行けるような
場所じゃない。
あたしが帰るのも…
もしかしたら無理かも」

「なに!?
それは大変だ!
お前にも夫や子供が
もういるだろう!!」

「はあ!?
あたし彼氏すら
いないんですけど!」

「なに!?
モエ何歳なんだ!?」

「16だけど」

「16で独り身か!
いき遅れたんだな…」

「ちょっと待ってよ!
あんた達の価値観と
一緒にすんな!!」

「あらあらモエちゃん。
殿様にあんただなんて…」







< 16 / 64 >

この作品をシェア

pagetop