モノクロ~光の導く方へ~

「…桜井、海翔」

彼を見た時、久しぶりに光が見えた。

随分と忘れていた、"嬉しい"という感情を一瞬感じた気がする。

気のせいだろうか…

周りは全てモノクロのままだったのに、彼だけに色がついて見えた。

金色の髪も、着ていた洋服も、彼の笑顔も…

彼だけが色のある世界にいる。

こんなの初めてで、戸惑う自分がいて…

そんな戸惑う自分に更に、戸惑った。


< 16 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop