沙漏


上管に残りし砂の侘しさに、

蜂の腰過ぎ行く少砂を眺めては、

下管に落ちし命儚く、

仁摩の砂暦に光陰悔恨を思う。


古に、

海を渡りし強者の、

導となりしも、

死の印、

墓石の印となりて現に生きん。


哀れなり、

器の大きさ様々に、

含みし命流れ落ち、

黄昏時に貝粉煌き、

恋の沙漏の終焉近し。

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