FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
東京を覆う光の結界を張った紅葉の目からは、ボロボロと涙が溢れ出ていた。
解るのだ。蒼馬が今、どんな状態でいるのかが。悲しいほどに、解ってしまうのだ。
「十夜……ごめんなさい、大丈夫?」
紅葉を庇った十夜は、左のふくらはぎを触手に貫かれていた。
「平気だ、これくらい……!」
十夜も、目に涙を溜めていた。蒼馬の痛みに比べたら、これくらいの傷、何ともなかった。
「蓮は、平気ね?」
涙を流しながら、周りの無事を確認する。
「俺は、だいじょ……」
蓮はそれ以上言葉にすることが出来なかった。顔を歪めて大粒の涙を落とし、低く嗚咽する。
そこに、真吏と李苑、そしてジャクラがやってきた。
李苑は泣きながら十夜の傷の手当てをする。真吏は涙を流す紅葉や蓮の肩を叩き、慰めた。
それを静かに眺めていた夜叉王とジャクラは、軽く目配せした後、徐に口を開いた。
「持国天のことは残念だが……そうやって泣いている暇はないぜ」
と、ジャクラ。
「弁財天、長くは保たんだろう? 私達3人がかりで創った結界ですら、このように崩されてしまうくらいの力だ」
夜叉王のその言葉通り、結界を支える紅葉の体は小刻みに震えていた。
悲しみのためだけではない。明らかに莫大な負荷がかかっているのだ。
解るのだ。蒼馬が今、どんな状態でいるのかが。悲しいほどに、解ってしまうのだ。
「十夜……ごめんなさい、大丈夫?」
紅葉を庇った十夜は、左のふくらはぎを触手に貫かれていた。
「平気だ、これくらい……!」
十夜も、目に涙を溜めていた。蒼馬の痛みに比べたら、これくらいの傷、何ともなかった。
「蓮は、平気ね?」
涙を流しながら、周りの無事を確認する。
「俺は、だいじょ……」
蓮はそれ以上言葉にすることが出来なかった。顔を歪めて大粒の涙を落とし、低く嗚咽する。
そこに、真吏と李苑、そしてジャクラがやってきた。
李苑は泣きながら十夜の傷の手当てをする。真吏は涙を流す紅葉や蓮の肩を叩き、慰めた。
それを静かに眺めていた夜叉王とジャクラは、軽く目配せした後、徐に口を開いた。
「持国天のことは残念だが……そうやって泣いている暇はないぜ」
と、ジャクラ。
「弁財天、長くは保たんだろう? 私達3人がかりで創った結界ですら、このように崩されてしまうくらいの力だ」
夜叉王のその言葉通り、結界を支える紅葉の体は小刻みに震えていた。
悲しみのためだけではない。明らかに莫大な負荷がかかっているのだ。