FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
そんな皆の視線に気付きもせず、聖は相変わらず仏頂面で、言った。
「李苑、いいか。ジャクラみたいな奴は殴ってでも追い払え。ああいうタイプがストーカーとかになるんだ。誰にでも甘い顔はするな。阿修羅王達のような人がいつも助けてくれるとは限らないんだ。自分の身は自分で護るんだぞ」
隣で蒼馬が「ハア~?」と口をパクパクさせているが、聖は気付かなかった。
李苑はしばらくきょとん、としていたが、やがて笑顔で頷いた。
「はい!」
よく通る高い声は元気良く、模範生徒のような良い返事だった。
「……蒼馬。私は聖が告白するんだと思ったんだが、違ったんだな」
ぼそりと十夜が蒼馬に言う。
「ああ~、途中参加の十夜ですら気付いてんのに! 俺、親友として情けねえ~!」
頭を掻き毟りながら、蒼馬は首を振った。
「せめて『俺が護ってやる』くらい言っとけよ!」
と、小声で怒鳴る。
「自分で気付いてないのね。鈍っ!」
紅葉は溜息をついた。
「頭は良くても恋愛には疎いか。フッ、まだまだ青いな」
「……貴方、聖と一つしか違わないでしょう。やめてよ、そんなジジくさい言い方」
真吏はビシッと紅葉に突っ込まれた。
そんな2人の会話には気付かない蓮は。
「李苑ちゃんってポワ~ンとしてるし、ストーカーに狙われやすそうだもんね。聖の心配も解るよ」
意外に聖の心情を一番理解していたかもしれなかった。
「李苑、いいか。ジャクラみたいな奴は殴ってでも追い払え。ああいうタイプがストーカーとかになるんだ。誰にでも甘い顔はするな。阿修羅王達のような人がいつも助けてくれるとは限らないんだ。自分の身は自分で護るんだぞ」
隣で蒼馬が「ハア~?」と口をパクパクさせているが、聖は気付かなかった。
李苑はしばらくきょとん、としていたが、やがて笑顔で頷いた。
「はい!」
よく通る高い声は元気良く、模範生徒のような良い返事だった。
「……蒼馬。私は聖が告白するんだと思ったんだが、違ったんだな」
ぼそりと十夜が蒼馬に言う。
「ああ~、途中参加の十夜ですら気付いてんのに! 俺、親友として情けねえ~!」
頭を掻き毟りながら、蒼馬は首を振った。
「せめて『俺が護ってやる』くらい言っとけよ!」
と、小声で怒鳴る。
「自分で気付いてないのね。鈍っ!」
紅葉は溜息をついた。
「頭は良くても恋愛には疎いか。フッ、まだまだ青いな」
「……貴方、聖と一つしか違わないでしょう。やめてよ、そんなジジくさい言い方」
真吏はビシッと紅葉に突っ込まれた。
そんな2人の会話には気付かない蓮は。
「李苑ちゃんってポワ~ンとしてるし、ストーカーに狙われやすそうだもんね。聖の心配も解るよ」
意外に聖の心情を一番理解していたかもしれなかった。