FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「聖くん、大丈夫ですか? 聖くん!?」
 
声はしっかりしているものの、李苑も思うように動けないようだ。聖のすぐ傍で座り込み、そのまま動かなくなった。

「けが、ない、か……」

「はい、私はどこも……聖くんは!?」

「……」
 
何ともないと答えようとしたのだが、聖の口は重く、開いてくれなかった。

(やばい……意識が……)
 
次第に意識が薄れていくのが分かる。

(そうか……力を使ったから……)
 
神の力が人間の自分には強すぎたのだ。だから、その力に耐え切れずに倒れてしまった。

「聖くん……!」
 
李苑の声が聞こえるが、返事をすることが出来ない。

 

やがて、別の声が響いてきた。

『ラクシュ……』
 
朦朧としながら、その声に耳を傾ける。

『ラクシュ、俺たちは……』
 
それがかつての自分の声であると、おぼろげながら認識した。

『決して、死ぬために生まれてきたんじゃない。そうじゃないんだ…』
 
では、何の為に?
 
何故、同じ運命を辿ってまでここにいなくてはならない?
 


『それを決めるのは貴方です』

 

また、別な声が響く。







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