平凡太~ヘイボンタ~の恋
「オイ、平凡太」


「あ、小野寺主任、お疲れ様です」


「係長がボヤいてたぞ?」


「え?」


「平凡太の仕事がはかどってないって、さ」


「暑さのせいですかね」


「じゃねーだろ?」


「え?」


「一華ちゃん、指輪はずしたよな?」


「あー…ハイ。そうです、ね」


「終わったん?」


「一華先輩にも幸せを選ぶ権利はありますから」


「平凡太以外の?」


「そうだったみたいです」


「オレ、平凡太の隣で笑ってる一華ちゃん、好きだったな」


ボクの隣で…。


そうだったかも、な…。


はにかむように笑う一華先輩がボクの隣にいた。


でも、もうその笑顔は。


別の人のモノ…。
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