恋するイケメン
何か話題…。


……ずっと疑問だった事を聞いてみようと思った。


「あの……。」

「ん?」

「…………」


いざ聞こうとすると言葉につまる。


泉堂君はせかす事なく待ってくれている。


深呼吸した。

「なんで私…なの…かなぁ…って…。」


自分の手を見ながら聞いてみた…。


不思議だったから…面識もないし…何より接点もなかった。


「一目惚れ。」

「えっ?」
泉堂君の答えにばっと顔を上げる。


後ろ姿の泉堂君。


「好きだから。」


「あっ……。」


ぶっきらぼうな言葉。

どう答えたらいいのか…。

「まだいい……。」


振り向いた泉堂君は優しく私の唇に触れた。


「待つ……俺を好きになれ。」


にっと笑ったその瞳は…切なくて胸が熱くなった。



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