モヤシ男・最終章~最愛なる君へ~
「まぁーとりあえず、ソファーに座りなさい。」


「…はい。」


俺は、恐る恐る高そうなソファーに座った…


なんて、ふかふかしてるんだ…



「っで、桃子こちらさんは?」


右ポケットから、葉巻を出し、火をつけながら社長はそう切り出した。



「パパ、こちらはモヤシ男さん♪今、一緒に暮らしてる人なの☆キャハ☆」


モヤシ女は、ためらう事なくそう言った。


「モヤシ男?…ん?…一緒に暮らしてるだと!?」


社長さんの逆鱗に触れてしまったのか、社長さんは怒りだした。



「うん☆一緒に暮らしてるの♪私達、結婚するのよパパ☆言っちゃった☆キャハ☆」


…結婚!?


いつそんな話になってるんだよーー!


俺は、そんな爆弾発言をしたモヤシ女を目でツッコんだ…


その後、ゆっくり社長さんの方に目を向けた…恐る恐る…



「結婚!?…桃子、何の冗談だ。笑えないなぁ。」


確かに…目がとても怖いです…


娘を見る目と俺を見る目…明らかに違います…


「本気だよ!今日、私の誕生日…特別な日に、どうしてもパパに逢わせたかったのよ。」


「…単刀直入に言う。パパは認めないぞ!こんなひ弱な男に…絶対認めん!」


社長さんは顔がどんどん赤くなっていく…


俺を見る目が、さらに恐ろしくなった…


「パパー!なんでよー!」


モヤシ女は、必死にパパを説得しだした。


認めん! なんでよ!


このやりとりを俺は、ただ見てるだけしか出来なかった…


10分後…


「あー、このままじゃ話が終わらん…桃子、少しこの男と話をさせてくれないか?」


社長さんは、疲れたのかモヤシ女にそう切り出した。


「…分かった。話せば、モヤシ男さんの事…分かってくれると思う。」



そう言って、モヤシ女は俺と社長さん二人を残し社長室を出て行った…



…二人きりにしないでくれーー!!



これは気まずい空気になってきました…

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