愛しい人~出逢いと道標~
だけど、何だろう。

すぐに終わるであろうこの沈黙が、私の心を「馬鹿」と小突いているような感覚・・・


「わりい。

俺、もうそっちは回らないんだ」


受話器越しに入瀬にも聞こえるのではないか、それくらい私の胸はドキッと大きい音を立てた。

そして、その音が気にならないくらいに私は頭の中が混乱し、発するのに一番いい言葉がでてきそうにもなかった。


「あと、俺、今月で今の仕事辞めるわ」


その言葉が信じられないくらい、重く、強くのし掛かってきた。
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