俺は彼女の目です。

拳がめがけた場所

「人が優雅に読書してんのに邪魔しないでくれる?」


高速道路の下だし、フェンス越えた向こう側は車ビュンビュン走ってますけど?


俺らがいなくても優雅って言葉は似合わない場所だよ、ここ。



「ケンカするならどっか別の場所でやってくれない?」



「なんだと?俺らが誰かわかって言ってんのか?」



うわぁ…



オンナにも容赦ねーな。



「あんた達のことなんか知ったこっちゃないわよ。早くどっか消えて。目障り」


女は座って読書を再開した。



「お前…ナメてると痛い目みるぞ。俺らは女だからといって手加減しないからな」



「お好きにどうぞ。あいにく私は逃げる気もなければ反撃する気もないので」



…ヤバイ



俺がそう思った次の瞬間。
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