悪魔のようなアナタ ~with.Akito~




翌日の夜。

灯里はベッドの上で晃人からの電話を待っていた。


明日は土曜日で、二人で初詣に行く予定になっている。

晃人と初詣に行くのは10年ぶりだ。

と、ブルルッと携帯が鳴り画面が光り出した。


「もしもし」

『俺だ』


晃人の声に、灯里は心が浮き立つのを感じた。

昔から知っている声だが、今は晃人の声を聴いているだけで心が温かくなる。


『明日だが、例の神社でいいか?』


昔から二人が初詣に行く神社は決まっている。

繁華街から15分ほど歩いたところにある稲荷神社だ。

さほど大きくはないが、年末年始には露店も出てかなりの賑わいを見せる。

さすがに元旦から半月経った今はさほど混んでいないだろうが……。


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