君に、この声を。



「この学校のバスケ部は強い?」

「そこそこ、かな。この前の地区大会では2位だった」


ふーん。

地区大会で2位か……。


正直、俺が前所属していたバスケ部は、県大会まで余裕に進んで、バスケ目当てで入学してくる人もいるくらいレベルの高いとこだったから、怜の説明にあまりピンと来ない。



「ま、見学くらいは来ねぇか? てか来いよ」

「んー、じゃ、今日見学行くよ」



俺がそう言うと、怜が控えめなガッツポーズをした。

……やっぱ、わかりやすいやつ。



「じゃ、急げって。俺一応バスケ部のエースだから」

「自慢か?」

「こーゆーことしか自慢することねーから」



笑いながらそう言う怜に手を引っ張られ、俺たちは教室を後にした。


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