桜の木の下で【短編】

それから、どれくらいたったんだろう、、、


アナウンスと同時に、あの人がボタンを押した。
私は、ちょっとホッとした。
でも、その瞬間もう一度強く手を握られた。

私の鼓動は強くドクンと言った。


バスから降りると何もない田園風景で、少し奥に小さな丘があり、桜の木が一本立っていた。


「どれくらい前から、この桜はここに居るんだろう?」そう思わせるくらい大きな木だった。

まだ咲くには少し早いのか真っ赤な蕾がたくさん付いている。
その中で一割ほどは、もう咲いていた。


桜の木の下には一つのベンチがあり、二人座るにはちょっと小さめの大きさだったのだが、あの人と一緒に、くっついて座った。
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