才能のない作曲家
君はまだ知らないんだろう。
僕がどんな風に君を愛しているか。
『大らかで、優しくて、何でも許してくれる人』
そんなものは僕の仮面だ。
彼女は僕の全て。
だから僕は、彼女の愛するものも愛しただけのこと。
彼女が笑うなら、それで良かった。
彼女が幸せだと微笑むなら、なんだって出来た。
僕は僕の人生より、
君の人生を愛した。
だから、いつか来るはずの別れも、きちんと分かっていたはずなんだ。