歌姫はギタリストに恋をする゚*。
沙知絵さんは一瞬言葉を詰まらせたあと…ゆっくりと話し始めた。




『慶ね…リハビリしてるところを、sAra.さんに見られたくないんですって…』

「――!」

『私はね…“sAra.さんだって慶に会いたいんだから…”って言っても・・“そんなみっともないところ、見せられるわけねえだろ”の一点張りで…私の言うこと全然聞かないのよ…』

「そう‥ですか…」


『慶も一応男だから…弱いところは見られたくないのかもしれないわね…』

「はい…」



じゃあ、今度はいつ慶と会えるの…?


あんまりお見舞いに来ないでくれって言われても…

“あんまり”ってどれくらいのこと言ってるんだろう…




『あ…慶が“電話代わって”って言ってるから、代わるわね?』

「え!あ‥はいっ…」


突然のことで…ちょっと緊張する私。


慶、起きてるんだ…






『…もしもし』

「あ、慶!?」


慶の声だ。

声を聞くだけでホッとする…




「あ…今、沙知絵さんから聞いたよ。体どこも異常なくてよかったね…」

『うん…』

「えっ…と・・」

『リハビリ…頑張るから…』

「え…」

『待ってて』

「………うん」


慶は枯れた声で言った。
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