MFNゲノム


「おとといから、だよね?」


チエはカニクリームコロッケをほおばりながら聞いてきた。

「ああ。」

俺はそっけなく答えた。
なぜか付き合い始めの、あのフワフワした感じが全くなかった。


「正直、うれしかった。結構前から待ってたから。」

そう言うとチエは、嬉しそうに笑った。


告白したのは確かに俺からだった。
でも3日目の今日、何か違和感があった。
別にチエを嫌いではない。俺も、付き合いたい、そう思った。


「ふつつかな娘ではございますが、これからもどうぞよろしく!」

完全に目が覚めたチエの声は、また俺の頭痛を刺激する声になっていた。


チエの精一杯のミニコントに、答えようとする俺の頭がキリキリと痛み出した。
< 13 / 35 >

この作品をシェア

pagetop