好きになっても、いいですか?

「彼女、特に栄養士の資格などは持っていませんでした」
「……だから?」
「……純一くん。意外に鈍感ですね。
彼女の父は、過労がきっかけで今に至るんです。食事もまともに採ってなかったでしょうね。そして、今も食事内容には気をつけなければならない。
そういうことを気遣って、おそらくそちらを純一くんに差し上げてるんですよ」


敦志が、麻子のいつも手渡すブルーのバッグを見てそう言った。

純一はそんなところまで理解していたわけもなく、そんな事実を知って、さらに麻子への想いを考えさせられる。


「そんなふうにお父様を大事にしてらっしゃるのだから、今度の手術はきっとうまくいくはずです」
「アイツは出来ないことないのか……」
「いえ、力仕事は……」
「ああ、そうだったな」



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