囚われの姫
「アルク…様……?」
突然のことにティアラは体を固まらせた。
息を吸うと胴着の革の匂いと…それとは違う爽やかな香がティアラの肺を満たす。
「ティアラ様……」
「っ……!」
アルクが切ない声音で囁くと、その熱い吐息がティアラの耳を掠める。
ティアラはびくりと肩を揺らした。
「ティアラ様……どうか、もうそれ以上はおっしゃらないでください…。」
アルクはティアラの柔らかな金の髪に顔を埋め、今にも泣き出しそうな声で、小さく囁いた。