テレビの中の、人。

3


めちゃくちゃはしゃぐサックンを見て、

あたしも、それに合わせて

同じ、"喜び"の表情を浮かべて、



だんだん、悲しくなってきた・・・



こんな風に思う自分に対しても、すごく、嫌だった。


ほんとは、

祝ってあげなきゃいけないのに、

ビタミンkにとって、すごい、良い事なのに・・・。



サックンが、遠くに行っちゃう・・・


サックンが、遠くに行っちゃう・・・




「アハハ!!でさあ、出演者のメンバーでさあ!」ー・・・



「・・・・・・。」


「・・・?ん?りえちゃん?・・・、どした?」



「・・・・・・。」


「・・・サックン、・・・」 「ん?」




「抱いて・・・」


「・・・りえちゃん・・・」





「抱いて!・・・思いっきり抱いて!サックン!・・・」



「・・・りえちゃん・・・、どうしたの?」




「抱いて欲しいの!!思いっきり!・・・、サックン!!」






「どこにも行かないよ、俺・・・。」

「大丈夫だから・・・。」





「ね?・・・」






あたしは、そのサックンの顔を見て、


ずっと胸に、しがみついてた・・・。





優しく髪を撫でてくれて、


いつもと同じように、優しく、


キスをした・・・。






「りえちゃん・・・。」

「サックン・・・。」






「あぁ!・・・・」





あたしは、何故か、

今夜のサックンを焼き付けるかのように、

熱く、抱かれた・・・。




何度も、何度も、求めあい・・・、




「りえ!・・・、ここ?」

「サックン!・・・、うん!・・・、あ!そこ・・・、感じる!・・・」






「りえ!・・・」

「サックン!・・・」






ああ!!・・・






サックンを、焼き付けた・・・。


まるで、


忘れないように、の如く・・・。




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