テレビの中の、人。

2


「ミズキ!」

家に帰ると、急いでミズキに報告した。



「そっか!・・・でも、なんでタイチからは、何の連絡もないんだろ?」


「きっと、忙しくてかけてこれないんだよ。」


「そっか。」





「ん?」

ミズキの異変に、気づく。


顔色が悪く、辛そう。



「ごめん、りえ。トイレ借りたよ。」

「吐いたの?」

「・・・うん。」




「こんなに辛いの初めて。もう何日も・・・。」





「明日、病院行こう。」

「分かった。」




そうゆうと、翌日、

ミズキと二人で病院に行った。




「怖い。変な病気だったら、どうしよう・・・!」


「大丈夫だよ!」





「次の方どうぞ~。」


「行こ!」











「・・・妊娠ですね。」




「え!?」





!!!ー






「もうすぐ3ヶ月目にはいりますね。」







「・・・・・・・!!!」

「うそ!!・・・・」





その反応に、医者は

怪訝そうな顔をして、




「ま、どうするかは、相手の方と相談して下さい。」






あたしは、ムッとしたけど、

どうすることも出来なかった。





待合室に戻ると、


「ミズキ・・・・・。」




うつ向いて、泣きそうなミズキの肩を、


そっと、抱くしか出来なかった。






「どうしよう・・・!あたし。」


「タイチに言おう!分かってくれるよ!」






「だって、こんな時だよ!」

「こんな・・・!・・・、こんな売れちゃって、・・・大事な時に!・・・」



「もう、なんか・・・、遠い存在の人なのに!・・・」




その言葉は、

あたしの胸にも、響いた。













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