テレビの中の、人。

4



「・・・・・・え?!」



「・・・・・・・・・。」










!!!ー






ー「いや~、そうですねぇ~、え?!どっから情報が!(笑)」


アハハハ!!!


「売れ出すと色々調べるんだよ、根掘り葉掘り。」


「いや~、怖いなあ~!」


「何?もう、結婚10年目だって?」

「ハイ!」



「じゃあ、子供とかもいんの?」


「あ、ハイ!」







「3人目が、こないだ生まれたばっかりで!」








・・・・・・・。







「ミズキ!・・・・」








ーアハハハ!!!


「そっかあ~、お前もよ~やるなあ!」


「売れてもない時からよ~作ったな!」


「いや~!まあ・・・!」



アハハハ!!!ー・・・







そこからは、



テレビの音が、耳に入って来なかった・・・。













嗚咽して泣く、ミズキを・・・


一晩中、抱きしめた。





寄りによって、


明日、やっと・・・、


やっと会えるという前日に、


しかも、メディアから、笑い声と一緒に、知らされた・・・。






「・・・あたし、騙されてたんだね・・・。」




「ミズキ・・・!」





「・・・奥さん、いたんだね・・・。子供まで・・・!」





「・・・ミズキ!・・・」






その後、

タイチに何度も、電話してみた。



だけど、


タイチが、出ることはなかった。









何時間が、経っただろう。


深夜の静寂の中で、ミズキが・・・、












「・・・生むよ。」






「・・・え?、・・・今、何て?」







「生む・・・。」


「!!ミズキ!・・・」





「生んで、奥さんにバラしてやる・・・!。」

「そしてメディアに流して、全部バラして、めちゃくちゃにしてやる!」




「ミズキ!・・・」





ミズキは、

怒りを通り越して、


完全に、理性を失っていた。





「バカなこと言わないで!冷静になって!」


「いいの!もう決めたから!」





今のミズキの状態に、

あたしは、何を言っても無駄だった。









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