テレビの中の、人。

7


芸能記者のカメラマンが、

堂々と、こちらを見て、

シャッターをきってる。



「やだ!・・・何?!」





「サック~ン!彼女ですかあ?」

「いつから付き合ってんですかあ?」

「結婚のご予定はぁ~?」



!!!ー


怖くて、

心臓が、ドキドキする!・・・







「そんなんじゃありません!」




「ただの友達です!」






・・・・・・。





ーただの友達ですー・・・







ーただの、友達・・・









「車!走らせて!」

「え?・・・」



「早く!」

「・・・あ!・・・」






そう言うと私は・・・、


夢中で、車を出し、


遠くに逃げた。



サックンは、


「ヤバイから」と、

宿泊先のホテルへ帰るのを急いだ。




ろくに、話しもしないまま、


「ごめんね!また電話する!」

そういうと、

ホテルの裏口に降り、

記者達がいないか、キョロキョロ確かめ、


足早に、ホテルに入って行った。







「何なんだろう・・・。」

「疲れた・・・。」






帰り道の途中の、パーキングに停めて

放心状態で、いた。






ーただの、友達です!ー・・・





何度も、頭に繰り返す、言葉・・・。




「あ~あ、もう・・・、何なんだろう・・・!」




涙が・・・、

溢れてきた。






ずっと、その場で

ボーゼンとしてた。





どれくらい経っただろう。


時計の針は、

午前2時を指していた。


その時、

携帯が鳴った。




「・・・マミ?・・・」


マミからの電話など、滅多にない。




「・・・はい。」






「りえさん!ミズキさんが!」


「え?」








「ミズキさんが倒れた!!」






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