ヒキコモリンコ
「頑張って!」
直美さんは力強くそう言ってくれたので、負けないように力強く頷く。
じゃあ、と直美さんが去ってゆく。その背中を、俺は無意識に呼び止めていた。
「直美さん!!」
驚いた風に振り向く直美さん。俺は拳を強く握る。
「もし……俺が何かになれた時、何か頑張れた時……」
言葉を探し、拙くも必死に伝える。
「その時はさ……一緒に食事に行こう?外に、出て。」
直美さんは花のようにふんわりと笑っていた。
そしてコクリと頷いた。