ラプソディ・イン・×××
♪×6
「私、退職することにしたんだ」



スミレがいきなりそう言った。





オレはいつものように

音楽棟で練習していた。



テキーラと、

学祭での共演のプランを

立てていたら、

夜になって仕事を終えたスミレが

やってきて。



オレは例の件

(フリアが校長にオレとスミレが

怪しいってチクった件)で

話がしたかったから、

スミレを外に連れ出した。



先に話があると言ったのは

スミレだった。



自販機で飲み物を買って、

音楽棟の屋上のベンチに座ったら、

開口一番スミレが

オレに告げた、ってわけ。



「退職…?」



予想しない展開に

ポカンとしたまま聞き返すと、

スミレは

「うん。今月いっぱいでね」と

うなずいた。



いきなり何でまた…。



「もしかして、今回の

…オレのせい?」


恐る恐るスミレに尋ねた。



校長に、オレとの仲を疑われて、

図書館司書として

学校に居づらくなったから…とか?


だったら、責任を感じる。


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