ブルーブラック2

「···今日はオレんとこに泊めてあげてって言うから」
「そ、そう」


椿の視線が痛くて百合香は斜め下を見るようにして俯いた。


「何、今度は」
「今度はって···別に何もないよ」
「嘘下手過ぎだし。早く吐いちゃえよ」
「····」


ピルルル ピルルル


そんなときに携帯の音が鳴った。
それは百合香の携帯ではなく椿のものだった。


「···電話。鳴ってるよ」
「んー」
「んーって!出なよ!彼女からかもよ」
「違うと思うけど···」


そう言って椿が面倒臭そうに携帯を手に取るとさらに面倒臭そうにその携帯をテーブルの隅に置いた。



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