ブルーブラック2

7.迷いの表れ



「ああ、やっぱり筋がいいな」


その頃2階では黙々とインクのブレンドをしていた二人がいた。


「筋がいいというか、感性がいいというか」
「そんな···!金山さんが丁寧に指導して下さるから」


そう言って百合香ははにかんでシェイカーからインクをボトルへと移し替えた。
コポコポッと音を立てて、多角形のボトルにインクが注がれる。


目の高さにそのボトルを持ち上げると百合香は軽く振ってかざしてみる。



「できた···!」



蛍光灯と、それを透かしたインクの色が百合香の瞳に浮かぶ。



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