ブルーブラック2

3.一番の味方




まどかとの電話が終わるとすぐに百合香は家を出て、またすぐに帰宅した。


小さな紙袋をカサッとテーブルの上に置いてソファに腰を掛ける。



“もし―――…違っていても私はもう大丈夫ですから。気にしないでくださいね”



さっきまどかに言った自分の言葉を反芻する。

―――大丈夫―――

それは本当は強がりでもあり、まどかへの配慮であることだったかもしれない。
期待してもしダメだったときに落ち込まない人間なんていないだろう。

それでも、まどかの言葉を信じてみたいし、賭けてみたい。

きっとまどかも自分と同じ気持ちだからこそ、意を決して伝えづらいことを電話でまで言ってくれたんだと思った。


テーブルの上の紙袋一点を見つめていた百合香はゆっくり手を伸ばした、その時。


ピリリリリリッ


「・・・!!!」


まるで謀っていたかのように百合香の携帯電話が鳴った。


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