スイッチ
見つめる
窓の外は闇に包まれ、通りを走る車のエンジン音さえ疎らになってきた。

事務所に残っているのは、私と大倉課長だけ。
課長は、デスクに座り右手でマウスを操作しながらモニターを見つめている。

「西野、データの確認できたぞ。
よく頑張ったな。お疲れさん」

ああ、顔を上げた時にキュッと伸びた。

「課長、ありがとうございました。
すみませんでした、遅くまで残って頂いて。
ご迷惑をおかけました。」

頃合いを見て淹れておいたコーヒーを、課長に手渡す。

「ありがとう」

骨ばった長い指が、私の手の甲を掠って背中が震えた。
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