黒の寵愛
静馬と冬夜は今までいた部屋の迎えの部屋にいた

「なぁ冬夜
僕は思うんだけど沙夜ちゃんを造ったのは僕らだ
でもあの子を血に染めなくても良かったんじゃないかな」

「アイツは俺の半身だ
血に染まりながらでも俺と一緒に居るんだよ」

「でも、それは本当に沙夜ちゃんが望んでる事なのか!
まだあの子は血とか命の重さ何て物は知らないけど
その内、成長すれば分かる時が来るかも知れない
殺しをさせるのは間違いなんじゃないか」

静馬は悲しそうに顔を歪めながら冬夜に言った
でも冬夜はそんな静馬を鋭い目で見ていた

「沙夜は俺のだ
アイツを俺無しでは生きられなくしちまえば良い
命の重さを知る?
俺は知らねぇ
なら沙夜も知らなくて良い」

冬夜は無表情で言った
いや少し口の端を上げた笑いだった
でも目は笑って無い

狂ってる
もしかしたら冬夜は沙夜ちゃんに依存してるのかもしれない

「話がそれだけなら俺は行くぞ沙夜が待ってる」

何をしても興味を示さなかった奴がやっと興味を持ったって言うのに
まさかそれに依存するとわ

2人が心配だ

静馬はそう思いながらドアに向かう冬夜を見送った
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