ただ、好き。

掴まれた腕―莉子side

蒼君に掴まれた腕がジンジンする。


それと同時に嬉しさが込み上げてくる。

この時の私は空き教室でどんなことが話されるかもわからずに、

ただただ、

蒼君に触れられたことで喜びに浸っていた。



――――――――――――

――――――


「まじでどういうつもりだ??」

空き教室に着いた途端、すぐに問われた。

けど、予想はついてた。

「何が??」

「ごまかすな。」

蒼君にはバレバレだ。




「マジで迷惑だから。


 おまえが俺の周りをうろつく度、周りの視線がヤバいのわかってんのか??」


「・・・ぅ。」


「ちったぁ俺の気持ちも考えろ。」


「ふ・・・ぇ・・・。」


迷惑か・・・。

確かにそうだったかもなぁ。


どんどん涙が溢れてくる。


苦しい。


苦しい。


苦しい。


「迷惑」

このフレーズが頭の中でリピートする。


「俺、行くから。

 もう俺に話しかけてくんな。」


そう言って蒼君は出て行った。

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