私こそ光る☆君~番外編②~
「大丈夫だよ。過去にゲストを呼んだ時も色々あったけど、何とかなったからね」


非常に心強い言葉を、不安と警戒心が全開になる笑顔とともにくれる紫水。

深夜近い時間、本日のお仕事終了後ということで前髪を下ろしている。


単純に目に入って邪魔だからなのか、理由は分からないけど、仕事の時はいつも前髪上げてるんだよね。

オンとオフを切り替えてるのかな?


下ろしているところを撮りたいととある雑誌の編集者さんが申し出たところをやんわりと笑顔で拒絶したという噂まである。

あくまでも噂だけどね。


……にしても紫水?

“色々あった”って何?

そこは“何事もなく無事だった”って言うべきところじゃない!?


リーダーに視線を移せば、嫌なことを思い出したのか、顔をしかめている。


……ホントに何があったんだろう?


キニナル。

気になるけどここでそれを聞いたら負けな気がする。

後の展開的に。



「うとうとしてるところ悪いんだけど、清龍くんももう少しだけ寝るの我慢してね」


「…………」


再び、こちらを振り返りもせずに放たれた志乃さんの言葉に、清龍は無言でカクッと顎を動かすことで返事をした。


本当に返事なのか寝てるだけなのか判らないけど、なんだか微笑ましい。



そんなこんなでこの時、私は最も重要な情報を聞きそびれてしまっていた。


そう、今週やってくるというゲストが誰なのかということを――。


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