戸惑いdistance



男の子「だれ?」


いやいや、
それはこっちの台詞・・・



里穂「お、起こしちゃってごめんなさい;;
空を見に来たんですけど
先客がいたから・・・」



男の子「あー、それなら
こっちこそごめん。
天気よかったから眠くなっちまってさ(笑)」



そう言いながら彼が笑う。

青空に映える、
キラキラした笑顔だった。


なんとなく目を奪われて
ぼーっとしてしまう。



男の子「あ、7組の津川里穂さんでしょ?」


里穂「えっ、何で名前・・・」



男の子「俺は、2組の中沢虹太。虹に太いって書いて"こーた"。
津川さんの話、たまにケントから聞くんだ。」

里穂「ケントから?」



ケントは私の幼なじみで
いわゆる腐れ縁。


あのアホケントに
こんなかっこいい友達が
いたなんて初耳・・・



里穂「は、はじめまして
津川里穂です。」



虹太「津川さんはいつも屋上にきてるの?」


里穂「うん。いつもは誰もいないから驚いちゃって;」



それから少しの間
他愛のない話をした。


虹太「津川さんもそのバンド好きなの!?」

里穂「すきだよ〜。
先月のライブにも行った」

虹太「新しいCDもってたら貸してくんねぇ?」

里穂「もちろんいいよ☆」


虹太「やった♪じゃあさ、明日の放課後持ってきて!!俺ここで待ってるからさ」




約束をして、家に帰った。


ん?"ここ"で?

屋上で待ち合わせってこと
・・・だよね。



男の子と・・・

待ち合わせ・・・




勝手に顔が赤くなる。


里穂(今までケント以外の男の子とあんなに盛り上がったことなかったし・・・)



ベッドにダイブして
目を閉じたら、

こーたくんの笑顔が
浮かんできた。



お日様みたいな

キラキラ笑顔が。




< 3 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop