オークションの悪戯-イタズラ-
「神田、勿論憂子も」

「そうですか」

神田さんはスーツを綺麗に直す。

「憂子ちゃ…」

私の手を握るあみちゃん。

「未佐希もだよ!」

「私は…っ、暁人様にお仕えしないと

生活が、続けられないんです」

「知らねーよ、そんなの」

私は暁人さんの前で頭を下げる。

「お願いします!あみちゃんだけは…」

「何友達ごっこしてんの?

正直うざいんだけど」

「未佐希は私が引き取りますから

憂子、顔を上げてください」

神田さんに肩を引かれる。

「憂子は戻って下さい」

「憂子ちゃん、行こう?」

「うんっ…」

元の生活に戻るんだ、

嬉しいはずなのに胸に暁人さんの視線が

突き刺さる。
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