二つの甘い蜜

「じゃ、俺のこと好きなの?」


またも答えられない質問に、唇を噛みしめた。


その瞬間、小高くんは私の手を取って、ステージから引きずりおろす。

勢いで収まった小高くんの腕の中。

離れようとすると、きつく抱きしめられた。


「俺にする? それとも、タオルにする?」


耳元で甘く囁かれる。


「……タオルって言ったら?」

「日菜は変態なんだって、校内放送する」

「ひどーい、」

「だって、俺を選ぶだろ? そんなに俺の匂い嗅ぎたいなら、俺の腕の中にしろよ?」


顔をあげると、熱っぽい視線で見つめられた。


「どうしようかな」

「悩むなんて、やっぱり日菜は変態だな」



【完】

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