赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「カーテンはしっかり閉められていますが」

「……え?」

驚いたキサラはもう少しちゃんと目の前のものを見る。


光だと思ったのは金糸の毛束だった。

カーテンの隙間や開けられたドアから漏れた明かりがその金糸に反射して光に見えたらしい。


(太陽が金色の毛に覆われてここに来ちゃったのかしら?)

聞く者がいたら馬鹿だとしか言いようの無い事を、寝ぼけていたキサラは深く考えもせず思った。
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