赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
街の女たちも、城のメイドも。

身分や容姿に釣られて寄ってくる者ばかり。

十歳の頃、メイドに寝込みを襲われそうになったのが特に女嫌いを根深くさせた。


だから母以外の女たちなどたいして価値を見出せない。


(……セラは、少し違うが)

ふと、今まで唯一母以外の女で他と違うと思ったメイドを思い浮かべる。


初めて会ったのはいつの頃だったか。

何時の間にかこの城にいて、何の違和感も無くメイドとして居続けている。
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