赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
逃げられる自信が無いというのを差し引いても、本気で逃げようと思わなかったのはそのせいかも知れない。


とは言え、結婚相手が吸血鬼だと分かった以上大人しく血を吸われる訳にはいかない。

逃げるのが無理ならば、せめて殺されない方法は無いか。

うーん、と唸りながら考えていると、長旅の疲れか睡魔が襲って来た。


視線を巡らせると、気持ち良さそうなフカフカのベッド。

キサラは迷わずそこに移動し、着替えもせず布団の中に潜り込んだ。
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