赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
だが、走り続けるキサラの行く手を遮る者が現れる。

「ああ、ここにいたのですね」


夜闇に溶け込む様な黒いマントを羽織った見知らぬ人物。

フードを目深に被っており、声も男女の区別がつきにくい。

マントで隠れているので体の凹凸もわからず、この人物が男か女かも分からない。


「少しお待ちなさい。もうすぐアンジーが来ますから」

不思議な声音でその人は告げた。

どうやらアンジーの関係者らしい。
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