赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
キサラの気配が遠のいて行く。

それが何故だか許せなかった。


何が何でも追い付こうと走る。


すると、少し開けた場所に見覚えのある男が倒れているのが見えた。

(……あれは)


ジュークは足を止め、男に近付く。


息はある。眠っているだけの様だ。

「クルス、どうしたんだ? 起きろ!」


キサラに早く追いつきたいとは思う。

だが、こんなところにクルスが倒れているのは不自然だ。

キサラが城を出たのと何か関係あるのかもしれない。
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