赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
いきなり咬みついたというのに抗議の声も無く、腕の中のキサラが少し重くなったとは思ったが……。

まさか寝ていたとは。


「……いや、気絶したのか」

突然の激痛に快楽。

しかもその前には首を締められたりと、色々ショックな事が立て続けに起こったのだ。

気絶してしまうのも当たり前なのかもしれない。


申し訳ない気もしたが、後悔はしなかった。

これでキサラはずっと自分の側にいる。

それがジュークにとって一番大事なことだった。


「夜風は体に悪い。帰ろうか」

眠るキサラの額にキスを落とし、ジュークはキサラを抱きかかえながら城へと向かった。
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