赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
少し嫌味も混じっている様だったが、キサラは気にしなかった。

村にいたときの村娘達の嫌味に比べたら可愛いものだ。


「あ、はい。本で読んだだけなので知識としてしか知りませんけれど」

キサラはナイフとフォークを持つ手を下ろし、食事の前に紹介されたばかりの女性にニッコリ微笑んで答えた。


彼女の名前はメルリナ=マクスウェル。

ジュークの母親である。


黒目黒髪なメルリナはとても美しく、実年齢より十歳は若く見えた。
< 49 / 438 >

この作品をシェア

pagetop