君の声がききたい
おとしもの
がやがや

がやがや



夕方の大学は、暇そうな学生たちがうろうろしている。

俺もその暇そうな学生のひとりで、携帯を持ちながら意味もなく大学内を散歩中…




柏木 奏(かしわぎ かなで)

19(歳)


高校を卒業後、就職を避けて、なんとなくこの普通レベルの大学へ入り、

毎日バイトと遊びを繰り返している大学生。




「奏――」




すると、どこからか俺の名前を呼ぶ声がする。

キョロキョロしていると…正面から走って来る男の姿が…





「よぉ…」

「やっと見つけた…授業終わったらさっさと消えんなよ(汗)」

「悪りぃ。俺、ダラダラ教室でしゃべったりすんの好きじゃねーんだ(汗)」

「わかってるよ。奏は昔からそうだったもんな!」


ケラケラ笑うのは、俺の小学校からの友達。


中島 修也(なかじま しゅうや)

19(歳)



修也は俺の近所に住んでいて、昔から仲がいいやつ。






「これ。前に借りてたCD返すよ」

「…ああ、サンキュ」

「今日はバイト?」

「いや…今日は休み。夜CLUB(クラブ)行くけど、お前も行く?」

「行く行く♪」

「じゃあ、あとでメールすっから…そん時に」

「はいよっ、じゃーな!」

「じゃあな」


修也と別れ、スタスタと歩き出す俺。
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