君の声がききたい

芽生える想い

数日後



がやがや

がやがや



【学生食堂】


キョロキョロと、隅々まで食堂を見渡す。




「何やってんだ…?」




後ろから修也が、不思議そうに俺の顔を覗き込む。



「別に…」


そう言って食堂の席に座り、昼メシの3色丼を食う俺。





沙和と話したあの日から、数日がたったけど…沙和と偶然会うことはなかった。

この数日間、俺はいつも昼メシに食堂に来ているが…

沙和を見かけることはなかった。






「ね〜今日さ…飲みに行かない?新しく出来た居酒屋の割引券もらったんだ☆」


美穂が、ハヤシライスをほおばりながら言う。




「いいね♪じゃあ、フットサル仲間も誘おうかな〜な、奏!」

「いいんじゃない?俺行けないから、フットサルの奴ら誘って行けよ」

「え?奏来ないの?」

「今日バイトだから…」

「あ、そっか。じゃあ‥バイト終わってからちょっと顔出せよ」

「あー‥気が向いたらね」

「待ってるぜぃ」



3色丼を食べながらも…周りをキョロキョロと気にしてしまう。


沙和…

今日も来ねーのかな…



そんなことを考えていたら、あっという間に時間が経ち、昼メシの時間は終わった。

やっぱり今日も、沙和を見かけることはなかった。
< 22 / 314 >

この作品をシェア

pagetop