君の声がききたい
「………」


無視かよ。



俺は携帯を握り、小走りでその女に近づいた。

そして…




「あの。これ落としたよ…」

「……!」


携帯を女の肩にポンと当て、ちょっとキレ気味で言うと、女は俺の顔を少しびっくりした表情で見つめた。




あれ…

この女、結構かわいいじゃん…


ちょっとキレちまった自分に後悔(汗)



あ。そうだ…




「これ。落としたよ」


さっきよりも、優しい口調になる俺。←


女は俺が持っている携帯を見ると…自分のポケットをごそごそと探ったあと、慌てて俺の持っている携帯を受け取った。

そしてその女は、カバンからなぜかノートとペンを取り出す。




なんだ?


俺がその行動を不思議に思っていると…女はノートを開き、ペンでさらさらと何かを書き始めた。

そしてすぐに、女はなにかを書いたそのノートを俺に見せてきた。





《拾ってくれて、どうもありがとう!》




女が見せてきたノートには、女らしいかわいい字で、そう一言書いてあった。




こいつ…

もしかして…


俺が戸惑っていると、俺は再びノートにペンを走らせる。
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