HERO
「美亜さーん、起きて、仕事行くよ」


「無理、頭痛い」



部屋のベッドで寝ていた私を起こしたわんこ。


今日は久しぶりに、私もわんこと一緒に仕事へ行くはずだった。



それなのに、タイミングがいいのか悪いのか。



今日は、頭痛がひどい。



「え!?大丈夫?」


「うん、薬飲めばよくなると思うけど、仕事は無理かも」


「そうだね、半分が優しさでできてるあのくすを飲めばきっと治るね。そしてついでに美亜さんも半分優しくならないかな」



黙れ小僧め。


半分優しくならないかなって、私の優しさの現状って全体の半分以下なわけですか。
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