HERO
「せっかく脱いだんだし、俺とやっちゃうか」



そう言って、目の前にいる男は笑っている。


それはもう、ヘラヘラと。



そんな男の姿に、私はため息をつく。




こんなはずじゃ、なかったんだけどな。



その男は、私が寝そべっているベッドの端に座った。



「ここ、いい眺めだ」


その意味を考えて、急いで布団を手繰りよせる。



今、私はこれからするはずだった行為のために、上は下着が丸見えだったのだ。




ああ、もう。


ほんとにこんなはずじゃなかったのに。
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