HERO
静かになった部屋が、何となく気まずいような気がして。


わんこと目を合わせることなくキッチンの片付けをしに行った。



よくよくみると、悲惨な状態。


可哀想なホットケーキの素。



これって一体どう片付けたらいいんだろう。


頭がちゃんと働いてくれなくて、持ってきたのは掃除機。



「いやいや美亜さん!これ掃除機で吸うつもり?」


「え、駄目かな」


「駄目でしょ、こんなもの吸ったらつまっちゃうよ」



わんこはいつものにこにこ笑顔で。


それだけで、少し安心できた。



ごめんね、私、こんなのでごめんなさい。
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